家と財産を守るための〜不動産の相続対策
家と財産を守るための〜不動産の相続対策
文書作成日:2017/10/20


 安定的に収益が期待できる環境を整えることが重要です。その一つとして民事信託を活用することも有用です。




 築後25年の賃貸住宅を子供に相続して貰いたいのですが、子供は相続したくないと言っています。何かよい対策はないでしょうか?




 まずは、お子様がなぜ相続したくないのか、その考えを理解する必要があるでしょう。その上で、環境を整えることができれば、お子様が賃貸住宅を相続したいと考える確率は高くなると思います。




 ご質問の様に、お子様等の推定相続人が相続したくないとの理由で、相続対策のために建築した賃貸住宅を相続発生前に売却するケースが増えていますが、それを防ぐために有効と断言できる対策はないと思います。しかし、推定相続人が相続したくないと考える理由を理解し、下記の様な環境を整えることができれば、その考えを変えることができるかもしれません。

  • 賃貸住宅を相続するお子様が、他の推定相続人に代償金を支払う事態に陥ることを回避する(現物分割可能な財産を形成し遺言を作成する)。
  • 賃貸住宅に係る借入金を完済又はいつでも完済可能な状態にする。
  • 必要な修繕・リフォームや設備の設置は適宜行い、大規模修繕は相続発生前に前倒しで行う。
  • 賃貸住宅の管理は外部委託する。

 通常、賃貸住宅経営は、徐々に収入が減少する一方で、支出は徐々に増加していきます。つまり、親御様は恵まれた時期に所有し、お子様は恵まれていない時期に所有することになります。その点を考慮すると、恵まれた時期に賃貸住宅を所有する親御様は、あまり手間がかからず、安定的に収益が期待できる環境を整える必要があり、その環境を整えることができれば、お子様が賃貸住宅を相続したい(してもよい)と考える確率は高くなるでしょう。

 しかし、お子様が賃貸住宅を相続したいと考える環境を整えることは容易ではありません。よって、整えることが困難であれば、所有権が移転する前に、民事信託等を活用することにより、賃貸住宅の経営をお子様に委託し、お子様自身で相続を容認できる環境を整えて貰うことが必要であると考えます。なお、民事信託は、認知症で賃貸住宅の経営判断ができなくなった時に備え、事前にお子様等の家族に財産管理を託す目的で、近年活用が拡大しています。

 少子高齢化により人口が減少していく中で、不動産を所有し続けることが容易でないことを理解し、上記に限らず、賃貸住宅を相続して貰うために必要なことを考え、実践されれば、お子様はその気持ちに応えてくれるのではないでしょうか。

※本文における民事信託は、委託者(親)、受託者(子)、受益者(親)を想定しています。なお、委託者(所有者)と受益者が同じですので、課税は生じません。


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